こんにちは!hakublog ライターのたーぼーです。

3記事に渡る長編だった健太くんの記事もこれが最後!ラストは「健太くんが持つ哲学の話」についてです。ここまで経歴、hakuとの出会いと、ここまでの変遷について書いてきましたが、今回はそんな道を辿ってきた彼自身が持つ想いや哲学の面をより深く聞いていきました。

(この記事は前回の記事の続きです!そちらも併せて読んでいただければ幸いです。)

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お客様とのエピソードについて

ーー前回まではhakuのコンセプトや、料理の向き合い方についてお聞きしましたが、実際にここを回して接客もしていく中で何かお客様とのほっこりエピソードとかあったりしますか?

実を言うと、あんまり覚えていないんです(笑)お客様に構う余裕がないくらい作品を作ることに集中しているので。その辺は全部、スタッフさんにお任せしています。

ーーでは、特に印象的だったエピソードとかありますか?

強いて言うなら、やっぱり「手を抜いたものはお客様にも伝わるんだな」ということを実感したことですね。それはどんなお客様にでも、だから絶対に手は抜いちゃダメだなと思います。

これは作る姿勢の話ですね。本腰入れてやらず「これでいいや」と思ったものは残されるし、もう2度と来ることないんだろうな。という雰囲気になってしまいます。正直そう感じたことは何回かありますね。

逆に手を抜いていないものをお出しした時は「美味しかったです」「また来ます」と言われます。

ーーすごい、とてもプロ意識を感じますね。

プロ意識と言うほどのものじゃないんです。私はただ「木平健太」と言う人間に対して忠実で居たいだけ。そして私のスタンスに「手を抜かない」があるから。「私らしいものが私の作品として出ればそれに間違いはない。」と思っています。

別に「料理人としてのプライドがある。」というわけではないです。だから何を言われても基本素直に受け止めるし、だけど「木平健太が納得するもの」だけはちゃんと価値として担保していきたいですね。

結構自分のセンスを頼りにしています。

ーーいつも大事にしていることですね。

そうです。そこにブレがないからこそ迷わないし、「これ以上できることがない!」というくらいにまで頑張っていると仮にお客様が来なくても堂々としていられます。

他にやる余地を残した状態で、結果が出なければ確かにそれは後悔に繋がると思います。だからこそ「あの時あの状況で、やれることはやったよな」と納得できる過程を作ることが大事だと思っています。

これからhakuでやりたいこと

ーー色々想いを語ってくださりましたが、今後ここでやっていきたいこととかありますか?

「今ある作品を最高峰のものにしていきたい」です。

例えば車にはフルモデルチェンジとマイナーチェンジという概念があります。フルモデルチェンジは形も変わるし、リニューアルもするけど、マイナーチェンジは形は変わらないけど中身の機能がグレードアップする。というものです。もっと分かりやすい身近な例で行くと、iPhone8の後にiPhone SE2とSE3は8の形をそのまま継承しています。

何が言いたいかというと外面のデザインはすでに最高峰のデザインになっているので、そういうものは無理して進化させなくてもいいと思っているんです。hakuの作品に当てはめて言うと今ある「キーマカレー」を「シーフードカレー」にしたり、「たらこスパゲッティー」を「明太子スパゲッティー」にしたり、分かりやすく変化したりはしません。

今ある既存のメニューを今後もっと最高峰のものにしていきたいです。すでにある「明太子スパゲッティー」とか「ナポリタン」という原型から、他のものに進化させたくないですね。味だったりとかの中身だけをちょっとずつでもより良いものに進化させていき、マイナーチェンジを繰り返していきたいですね。

ーー具体的に今ある作品をどういった形に変化させたいとかありますか?

例えば、「イカとエビのピラフ」ならバターの入れる量や順番をちょっと変えてみたり、追いオリーブオイルをしてみたり、ほんのちょっとしたことで味が変わるので、そうした変化をつけていきたいかなと。

そしてそれは1つの料理を作りまくってないと、そういう境地には達せないと思っています。うちのランチメニューが5品ある中で、一つのものを作りまくってると微細な違いが見えてきます。ちょっとパサパサしてるなとか。もっとバター入れた方がいいなとか。

必要ないなと思ったものは入れず、必要だと思ったのは入れてます。ただ、現時点で唯一あまり改良を加えてないのは「キーマカレー」ですね。もう進化しきっちゃってるので。

ーーそんなに深く考えて作ってたんですね。

色々聞かれたおかげで「意外と自分頑張ってるのかな」って思えました。自分のことを気持ちよく言語化できるいい機会でした!ありがとうございます!

ーーこちらこそ、ありがとうございました!

編集後記

一人の飲食店のシェフとして、そして一人の作品を作る者として、とても深い哲学を覗かせてくれた健太くん。iphoneのように、形は変えずとも常にグレードアップするというスタンスは特にいつの時代も求められることだよなぁと筆者も少し頷きながらお話を聞かせて頂きました。

3作続いた健太くんの記事もこれで終わりましたが、もし彼に興味が湧いたらぜひ「cafe haku」に行ってみてください。そこには素敵な笑顔で最高峰の作品を提供する健太くんの姿があります。

【cafe hakuについて】

営業時間

11:00〜16:00(ラストオーダー15:30)

定休日

火曜日、水曜日、木曜日

支払い方法

現金、QR決済(PayPay導入予定)

禁煙・喫煙

室内禁煙

設備

テーブル10席、テラス2席、ソファー4席、カウンター3席

アクセス

JR湯河原駅より箱根登山バスで15分

住所:〒259-0314 神奈川県足柄下郡湯河原町宮上683−13

駐車場:2台+臨時駐車場

お店の種類

カフェ・喫茶店

ジャンル

洋食、軽食

メイン料理

カレー、パスタ、その他(オムライス、ピラフ、ケーキなど)

利用シーン

お一人様、家族・子連れ、ランチ、デート、接待

こだわり条件

落ち着いた空間

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